Release Date 2023.07.18
6.ちりめんの精練について
<精練とは>
“精練(せいれん)”とは一般的には“染色“の前に実施し、繊維に付着している糊剤や油分を除去して染めやすい状態を整えるための前処理工程のことを言います。
しかし丹後ちりめんにおける“精練”とは、約25%もの多量のセリシンを溶解除去して繊維としてのフィブロインを高品位に仕上げることと、製織時に込められた強撚糸等の効果による”シボ“と”風合い“を狙い通りに発現させる加工工程です。そしてさらには、その後の染色工程における染め上がりの良し悪しを左右する大切な工程でもあります。
丹後ちりめんの精練における大切な留意点は、以下のとおりです。
① 多量のセリシン及びその他の不純物をムラなく均一に除去すること。
② 強撚糸の解撚力と収縮力を最大限に引き出すことにより、期待されるシボと風合いを得ること。
③ 丹後ちりめんは染下用の白生地であるので、友禅染めなど後の加工工程における問題が生じないよう配慮すること。
絹の精練方法については使用する薬剤や処理条件等に応じて多岐にわたりますが、丹後ちりめんに関しては基本的に“石鹸アルカリ練り”が用いられています。これは精練薬剤として石鹸とアルカリ剤とを併用する方法であり、最も一般的な方法で行われています。