THE SILK in Tango Kyoto Japan 丹後シルク

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糸の段階で施す耐スレ加工で
シルクの毛羽立ちも防止

 糸に施す「ハイパーガード加工」です。シルクの欠点である毛羽立ちを糸の段階で防止し、製織、染色でのスレ防止と、シルクの風合い・手触り・着心地の良さを長く保つ加工です。先染織物、ネクタイなどに利用されています。

先染めの生地にも施せる耐スレ加工を

 京都・丹後地方では永きに渡り、和装(きもの)の白生地を生産しています。その白生地が織り上がり、精練工程を経た後で染色をするわけですが、織り手としては染色後に初めて生地の色を確認することになります。この流れだと、製織の段階で仕上がりを確認しながら織るということができません。このため「先染」と呼ばれる糸の段階で染色をする技術も合わせて発達してきました。
 当組合で提供している「ハイパーガード加工」は、先染の生地には活用できない加工です。このため、スレに対する耐久性を持った生地をつくるには、糸の段階でシルクを保護し、その糸で織る必要がありました。これらの経緯を経て、糸段階の耐スレ加工であるノンフィル加工が開発されました。
 耐久性が必要なネクタイはもちろん、従来、肌や衣服などに擦れて毛羽立ちが目立ったシルクマフラーなども、その風合いを長持ちさせることが可能になりました。

糸の繊維内部まで薬剤を浸透

 シルク繊維の内部にまで薬剤を浸透させる化学反応の技術です。適切な温度管理による熱反応で定着させる「反応」の技術のため、繊維のねじれ等にも強く、シルクの風合いが長持ちします。
 本来、織物は製織段階で何度も「擦れる」ことになるため、糸の段階でのロスは多いと言えます。ノンフィル加工は、まずこの加工を施したあと、糸染め→製織、という工程を経ることになるため、耐久性を持った糸で織ることが可能になります。化学反応が起きた糸はスレに強く、静電気も起きにくいため、製織のしやすさにもつながります。また、織り上がり後に精練に出す必要もないため、工程としてのロスも軽減できます。
 ネクタイなど、生地が傷みやすい製品には特に適した加工です。シルクの風合いを損なわずに、丈夫な糸が得られますので、商品としての付加価値増大にもつながります。

摩擦堅ろう度試験

摩擦試験機を用い湿潤試験を行った結果
(摩擦試験機で100回往復摩擦)【JIS L 0849】
100回往復してもスレに強いことがわかります。

ノンフィル未加工品
未加工品
ノンフィル加工品
加工品

INFORMATION

加工名 ノンフィル加工
対応素材 シルク
用途展開 先染め織物・ネクタイ・マフラー等
最小ロット 5kg カセ糸
納期目安 約10日

ご相談項目

下記についてはご注意いただき、一度ご相談ください。

  • 先練糸に加工します。製織後の生地には加工できません。生地への加工はハイパーガード加工をご覧ください。

お問い合わせ

丹後織物工業組合 加工場 染色加工課
TEL 0772-64-2493 FAX 0772-64-4994

〒629-2502 京都府京丹後市大宮町河辺3188番地
担当/山下雅基