原料の生糸は、製糸工場からカセの状態で箱詰めにして送られてきます。
タテ糸に細い糸を用い、横糸には強い撚りをかけた糸を使って独特の風合いに織り上げます。
カセになった生糸を糸枠に巻き取ります。この作業が不完全だと、その後の製品のできあがりにまで影響を及ぼすため、作業をする人には熟練した技術が要求されます。
タテ糸を織機に仕掛けるための準備。ボビン枠に巻かれた120~200本の糸を一度にドラムに巻き取り、さらに男巻というビームに30~50反分を巻き上げます。
ヨコ糸に撚りをかける作業。丹後独特の八丁撚糸機を使い、水を注ぎながら、糸1メートル当たり3000回から4000回の強い撚りをかけてシボのもとを作ります。
糸を織機にかけて、織りの作業に入ります。紋ちりめんの場合はここでジャカード機を使いタテ糸、ヨコ糸で美しい模様を出していきます。
精練が済んだちりめんを水洗、脱水し、乾燥機にかけます。乾燥方法によってシボや風合いに大きな違いが出るため、ちりめんの種類に応じた最適の方法が採られます。
乾燥後のちりめんは、幅、長さともに縮んでいるため、これを規定の幅、長さに整えます。
でき上がった全てのちりめんは、検反機にかけて1反ずつ厳重に検査します。
厳しい検査を受けたちりめんには、丹後ちりめんの証であるブランドマークを押捺し、市場に送り出します。