Release Date 2022.01.01

新年のご挨拶

令和4年 年頭所感

丹後織物工業組合
理事長 田茂井 勇人

 

 新年あけましておめでとうございます。
 皆様におかれましては、ご清祥のうちに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。
 平素は丹後機業の振興発展に格別のご指導ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、一昨年の丹後ちりめん創業300年に続きまして、昨年は組合創立100周年という大きな節目を迎えました。
 しかしながら和装需要の減退や構造的不況に加え、急速に進行する少子高齢化と過疎化、さらに織物に携わる従事者の減少、高齢化による技術継承の課題や織機等設備の老朽化による生産基盤の弱体化など、我々を取り巻く環境は厳しい状況が長く続いています。加えて、新型コロナウイルス感染症の蔓延によりきものを着る機会の喪失、催事などの対面販売の機会喪失と更に追い打ちを掛け厳しい環境となりました。
 そのようななか、組合では昨年には組織改革を行い、役職員が一丸となって様々な課題に対応し円滑に事業執行できる体制を構築し、自分達で稼ぐ組合を目指して取り組みを進める一方、組合の共同加工施設はその歴史、規模、技術力は日本一の工場だと自負しており、焦眉の課題である老朽化した設備の更新や高付加価値加工を可能とする機械の導入を進め、丹後のみならず日本の和装文化を支える工場としての使命を果たしていく所存です。
 さらに、丹後産地として次の50年、100年と持続可能な織物産地として発展していくには、きもの市場はもとよりこれまで培ってきたさまざまな織り技術や精練を含めた関連技術を活かして、ファッションやインテリアなど成長するグローバルな市場を目指すことも不可欠であります。その一環として、昨年度より京都府と西陣織工業組合、京友禅協同組合連合会、当組合の3組合でシルクテキスタイル・グローバル推進コンソーシアムを立ち上げ海外発信、インテリア業界への進出などを進めております。また、コロナ禍によりリアル展示会の開催が難しいなかでオンライン商談の取り組みや「きぬもよふ」の販売、丹後で作られているプロダクトの販売を行うECサイトの構築を進め、稼ぐ産地としての基礎づくりに取り組んでいるところであります。
 昨年の東京五輪に続き、2025年に開催される大阪万博に向けて近畿経済産業局において丹後ちりめんを「地域ブランド」に認定していただいたところであり、産地としても更なる期待を膨らませているところであります。
 受け継がれてきた「絹織物」という資産を次世代、次の100年に向けて、確実に継承し、若い世代が郷土に誇りを持てる未来を築き上げるため、勇気を持って新しい成長への道にチャレンジしてまいります。
引き続き、皆さまの格段のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。